あなたの内なる力

あなたの内なる力

その三

ある人々は、病気を挑戦や闘いと見なします。

そういう方々は、毎日、今日一日を生き延びたことを、勝利と考えます。

ある女性は、自分の考えを次のように表現しています。

『私は、闘っていることで満足しています。

がんに立ち向かっているのは、この私と私のお医者さんです。

私たちは、勝てないかもしれないことを知っているけど、神様のおかげで、病気をうんと痛めつけることが出来るでしょう。』


また、人生では、何が大切で何はそれほどでもないか、を考え直すことで立ち向かう人もいます。

ある人はこう言いました。

『病は、あなたの価値観を整理し直してくれます。

余計なものを振り捨てて、煩わしさを最小限にし、暮らしを簡素化することができるのです。』

家族や愛する人と気持ちを分かち合うための「生き形見」として、あなたの人となりをあらわした詩や、絵、ビデオ、カセット、本などを編集してみるのもいいでしょう。

病に対抗するやり方はどれであっても、あなたの内なる力があなたを助けて、一日一日を出来る限り充実して暮らすことができるのです。

あなたの内なる力

あなたの内なる力

その二

中には、先のプランを立てる方が良いと思う人もいます。

何日か後の、何ヶ月か後の、一年位後の計画を立てる人もいるでしょう。

それによって、まだ人生を終わったわけではないし、人生の目標を達したわけではないと、自分も周りの人も再確認するのです。

行くところがあり、することがあるということは、人生が目の前に開けているということなのです。

立てる計画の中には、日々をどうやって楽しく過ごすかということもあるでしょう。

家族や友人と「特別な日」を過ごしたいと思うかもしれません。

一日外へ出かけるとか、コンサートに行くとか、午後を一緒に過ごす、とかです。

あるいは、一生の夢といったもの、たとえば憧れの地へ旅行する、などを実現することに集中するのもようでしょう。

一般的な計画であろうが、特別のものであろうが、こういう計画をもし立てないとすると、決まり切ったいつもの日常活動で一日が終わってしまう、という繰り返しで時が過ぎていくことになるでしょう。

しかし、あまりたくさんの事をやり過ぎないようにしてください。

疲れてしまうと、憂鬱と絶望に対する防御力が弱まってしまうかもしれませんし、病と闘うのがより難しくなることでしょう。

あなたの内なる力

あなたの内なる力

その一

もうがんをコントロールできないと初めて知ったとき、多くの人は感情的に圧倒されてしまいます。

かってできたようには、うまく事態に対処できない人もいるでしょう。

時には一時的に生きる意欲を失うこともあるでしょうが、時が経つにつれて心持ちは変わってくるものです。

望みが無いという思いは、今まで知らず知らずのうちに自分の中に積み重ねてきた心と体の貯えによって変わってくるでしょう。

あなたの内なる力を呼び覚ますことは、あなたの精神を生き生きとよみがえらせ、一日一日経験することの一つ一つを楽しむよう、あなたを促すことでしょう。

先の未来のことよりも、今現在に集中することが助けになります。

多くの患者さんにとっては,未来はこの一日一日が終わった後に来るものなのです。

ある人は次のように言いました。

『こうなる前は、5年、10年、いや20年の計画を立てさえしたものだ。

もはや、そんなことはしない。

今、わたしに分かることは、死ぬのはもっと先だということだ。

今は生きている。

そして、いつも、今ここに、私は生きているのだ。』

時間が限られていると分かった時の気持ち

わたしたちは皆個性があります。

生死についてもそれぞれのやりかたがあるでしょう。

それでも、進行がんの患者さんの気持ちには共通したものも多くあり、この時期の過ごし方にも同じようなところもあるのです。

あなたは、このブログにあるのと同じ気持ちを全て味わうわけではないでしょうし、同じやり方を経験するわけでもないでしょう。

もろもろの感情が現れては消え、消えたと思うと、またやってきたりします。

ここに書かれていることを読んで、そういうことは当たり前のことなんだ、私たち人間が、自分の心を鎮めるためにやることの一部なのだと、あなたやあなたの親しい人々に分かっていただきたいのです。

あなたの病気を治す効果のある方法がもうないのだと、初めて告げられたり、自分で気づいたりしたとき、こんなことは起こりえないことだ、と否定しようとすることがよくあります。

こんな不都合に打ち勝つ方法が何か見つかるに違いない、と信じます。

これは、どうにもならない状況での対処法の一つで、最初は役に立つでしょう。

しかし、時が経つにつれて、患者さんや周りの人は、事実を正面から見つめることができるようになります。

ある患者さんは、次のように表現しました。

否定したからといって、現実の死は消えるものではない。
もし否定してしまったら、恐れや悩みを人と分かち合って慰めを得ることができない。
愛する人たちをずっと気遣ってきた、と思うことで得られるやすらぎもなくなってしまう。

「こんなこと、わたしに起こるはずがない」という気持ちは、しばしば、「なぜ、わたしが?」という疑問に変わります。

これは、怒りと激情からくるものでしょう。

ちゃんとした理由がなくても、医師や、家族や、近所の人や、病気や、自分自身に対してさえも、腹が立つことがあります。

これは当たり前のjことです。

そしてしばらくして、自分が怒っていることに気づき、自分の怒りたくなる気持ちを受け入れた時、怒りは去っていくことでしょう。

家族や、親しい友人や、ソーシャルワーカーに、自分の気持ちについて話すことは、とても役に立ちます。

病気になったのは自分が悪いことをしたからではない、ということを心に留めておくことも、助けになるでしょう。続きを読む

生きようとする意志

わたしたちは、生まれながらに生きようとする意志をもっています。

このことが、病気、特にがんに対して、どういう影響を及ぼすかについて、長いこと議論されてきました。

けれども、生きようと強く願うことが生きる力を高めるということについては、疑う余地はありません。

ターミナル期のがんを患う方の多くは、予想よりもはるかに長く生きられます。

その方々は、生きる価値を積極的に認める態度を周りの人々と分かち合っていらっしゃいます。

また、そのような方々は、希望と忍耐力と意思の力と勇気との組み合わせをお持ちのように見受けられます。

どうしてそのようにうまく事態に対処していけるのか、と聞かれると、こんなふうに答えられることが多いようです。

「私がしなくてはいけない仕事が沢山あるのです」とか「孫が生まれるまでは死ねません」とかです。

あきらめてしまったり、生きることから引退しようとは思わないのです。

日々の出来事への強い興味と関心によって、不愉快な治療や病気による苦しみに耐えていけるのです。

このことは、より長く生きるには積極的な態度だけが必要だといっているわけではないし、また、病気になってなかなか良くならないのは、あなたのやりかたが間違っているのだ、といっているわけでもありません。

ただ、人生の積極的な展望を強調することは、残された時間に対して、意味と目的と慰めを付け加えることができると言いたいのです。

一日を大切に生きる

死について考えることが好きな人は、あまりいません。

死がいつかはやってくることを、わたしたちは皆知っていますが、そういうことはほとんど考えないのです。

死というものにしっかり取りくむと、人生観や価値観が変わってくることが多いものです。

深刻な病に苦しむ多くの人々は、今日一日を大切に生きようとします。

今日できること、今日言えることを、明日や、次の週や、来年に延ばそうとは思いません。

ある患者さんは、自分の考えを次のように表しています。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

死ぬ確率は、どの世代でも100%。
私たちは、皆死ぬ。
けれど、何が原因で自分は死ぬのだろうか、私には分かっている。
他の多くの人々にはわからないことだろうけれど。
いつまで生きられるか、誰にも保証はない。
でも、私は信じる。
一番大事なことは、命の長さではなく、どんな生き方をするかということだ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

命の終わりに近づいていくのに、正しいやりかた、間違ったやりかたがあるわけではありません。

自分の気持ちが一番落ち着いて、これで良いと思えることをすればいいのです。

病に苦しむ多くの人々は、生と死についての自分の気持ちや信念との折り合いをつけ、心のやすらぎに至ることができるものです。

あなたも、自分自身のやりかた、独自のペースで、生きることの意味を見出されていかれることでしょう。

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